【ブログ】どうして基礎が必要なのか
- 2025.03.12
突然ですが、基礎できていますか?
基礎は大事って当たり前のことなのですが、実はなんで必要なのか具体的に理解している人って意外と少ないです。
そのことについては前にも書きましたが、もう一度基礎についての概念をおさらいしてみたいと思います。
第1に、基礎というものはバレエの歴史が詰まっているということです。
美しい様式美、独特の表現方法を具現化するために、先人たちが積み上げてきたメソッドなのです。
ワガノワメソッドであれ、オペラ座のメソッドであれ、突然降って湧いたように作られたメソッドではなく、バレエの発展とともに進化した結果たどり着いた技術の結晶であるということです。
つまりバレエの基礎を学ぶということは、こうすれば美しく踊れるというテクニックの原点だということです。
バレエの基礎をすっ飛ばすということは、全く型がなく美しさや技術の進歩に逆行することになってしまうのです。
バレエには難しいテクニックや振付がたくさんあります。
難しくてできないとき、皆さんはどうしますか?
まずできることからおさらいしたり、自分にとって優しいテクニックに戻って練習しませんか?
例えばスポーツ選手がフォームの確認や単純な技の繰り返しに時間を割くように。
なので、その優しいテクニックの習得がいい加減だと、いつまで経っても上達はできないのです。
最初にお伝えしたいことは、基礎というのは困った時に帰れる場所だということです。
第2に、基礎を知らないと応用が効かないということです。
スポーツに例えれば一目瞭然です。
サッカーでも野球でも、軸足を安定させることができなければ正確なシュートを打てませんし、バットをボールに当てるが難しくなります。
基礎がない人が練習を必死にやり込んでも成長の速度はものすごく遅いですし、伸び代に限界があります。
第3に、基礎を身につけるということはその後の成長に対し効率的だということです。
基礎がないのにも関わらず効率化を求めるととんでもない方向に進んでしまいます。
何をやってもちょっと違うな〜ということになってしまうのです。
バレエ界でもスポーツ界でも学問の世界でも、一流の人は口を揃えて基礎をしっかり身につけること、どんなに上手くなっても基礎を蔑ろにしないこと、基礎練習を続けることと言います。
私も同感です。
結果として基礎ができていると心に安定感が芽生えるとともに安心感も育まれます。
基礎こそが自分の帰るべきマイホームのようなものだからです。
自信があると心に余裕ができて、新たな気づきや課題を見つけやすくなり、踊りに彩りを持たせることもできるようになります。
第4に、基礎を体に叩き込むことで無意識にできることが増えるのです。
手足のポジションが曖昧な人は、実践でとても苦労します。
無意識にポジションが決まる人、動きの軌道が基本に忠実な人は実践で更に上級なことに取り組むことができます。
先にも書きましたが応用が効くのです。
第5に、自信がつきます。
基礎が身についている人は結果が伴ってきますので、自信がついてきます。
自信がついてくれば更にチャレンジなことやもっとクォリティを求めることに取り組めるようになります。
指導者からの信頼度も高まるので、成長が加速します。
自信がついている人は、できないことがあっても挫けなくなります。
基礎を蔑ろにする人ほど諦めるのが早い傾向にあります。
第6に、突如として急成長するようになるということです。
基礎が身についていて習慣化している人は、基礎練習が苦でなくなり、むしろ喜びすら感じるようになります。
そういう人を見ていると突然に急成長する瞬間があります。
練習を毎日していても、グラフの成長ラインは直線の右肩上がりではありません。
むしろなかなか線が上昇せず平行線の期間の方が長いかもしれません。
野球の選手が毎日何百回、1000回も素振りするのはなぜ?
サッカー選手が毎日100本もシュート練習するのはなぜ?
一流の選手はただやっているのではなく、試行錯誤しながらやっています。
やり続けていると突如として、こうかなという気づきに出会うのです。
その気づきに出会えると急に成長するものなのです。
スランプから抜け出すにも、できないことを克服することにも、新たにチャレンジするにも、基礎練習の繰り返しこそがステップアップに導いてくれると言っても過言ではありません。
では逆に成長しない人はどんな人なのか。
それはあれもこれもといろんなものに手を出して中途半端になってしまう人です。
基礎から始める事なく一段も二段も上の段階から手を出してみたりと、行動自体が焦っている人には成功する事は難しいと思います。
イチローもマイケル・ジョーダンも大谷翔平もみーんな言います。
「基礎!」
バレエの基礎を身につけるにはどのくらい時間がかかるか。
それはあなたの努力次第ですが、決して数ヶ月で身につくものではありません。
たまには努力もそこそこでいい役をもらえたり、賞を獲得できてしまう人もいますが、努力しないでちょっとした成功を手中にした人は、私の経験上その後に基礎のために努力することに抵抗を感じる人が多いと見えます。
挫折して初めて気づくこともままあることです。
自分を冷静に客観視し、実力なのかまぐれなのか自分で判定できるとその都度やるべきことが明確になるのではないでしょうか。
基礎がない人は、同じ間違いを何度も何度も繰り返します。
何かを成し遂げるまでの時間がとても長いです。
自信に根拠がありません。
そしてすぐに結果を求めたりします。
人に教わるときに敬意を払えない人になってしまいます。
教室サーフフィンしたり、人の粗探しをする人は、やはり基礎を身につける努力が足りなかったのかなと思ったりします。
基礎を習う機会がなかった人も多いと思うので、そう考えるとすごく残念ですし、私はいつまでも基礎を大切にして指導していきたいなと思っています。
ジュニアでも大人でも、どうせバレエをやるならば本質的なことを学びながら、自分を高められるレッスンを増やしていただければと願って止みません。
そしてみんなでハッピーにレッスンできたらと熱望しています!
舞台に上がる人は、お客様に堂々と自分の勇姿を披露できますように!
一緒に頑張りましょう。