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【コラム】子供の体力と成長

  • 2024.10.04

最近ニュースを見ると自民党総裁選とその後の人事のことばかりですが、私が気になっているのは子供の運動能力の低下についてです。

小さい子供の股関節が硬すぎて胡座をかけないどころか体育座りをすると後ろに転げてしまうとか、床の雑巾掛けをすると頭から倒れてしまうとか、肩甲骨が動かなくて腕をまっすぐ上にあげてバンザイができないとか、学校の校庭でかけっこするとカーブを曲がりきれないとか、両腕両足を交互に動かせなくて行進や水泳ができない、すぐに床に座ってしまうなどなど、子供とは思えない現象が全国で見られるそうなんです。

私が感じているのは、体力がない子が増えたことと、側湾気味の子が増えた気がします。

1日中悪い姿勢のままでいて、通学は重たいバッグを背中に背負って膝を曲げて歩く・・・。

また、最近は動いて息切れすることが苦手な子が増えた感があります。

そんな子たちが増えている中でも、私のスタジオに来てくれている子供たちはすくすく元気に育ってくれています。

入会する前はすぐに疲れてしまったり、スキップもできなかった子たちが、スタジオの中を何十週も走れるようになったり、壁で逆立ちができるようになったり、ブリッジで歩いたり側転ができるようになったりしています。

実はバレエをする上で子供のあそびや運動はとても重要なのです。

バレエはバランス(持久力)、瞬発力、コーディネーション力が必要ですので、小さい子は飛んだり跳ねたりというはしゃぐことが一つのトレーニングななっているのです。

トレーニングというと規則正しく正しく体を使うことを想像しますが、はしゃぐ遊びも立派なトレーニングです。

一番の効用は、子供のあそびは不規則の連続なので身体能力向上には欠かせないトレーニングだということです。

腹筋とかストレッチは規則性があるのであまり脳を使いませんし、身体も同じ反応の連続になり想定外のことには対応できません。

バレエスタジオで走り回ったり側転を教えあったりしている小さい子供たちを見ているとホッとします。

はしゃいで走り回っている時は、みんな全身を使って動き回っていますし、息切れして肺にたくさんフレッシュな空気を吸い込んでいます。

熱中症の心配が減ったこの季節ならではですが、窓を全開にしてスタジオ向かいの緑多い公演を眺めながら動けるというのは東京のスタジオでは贅沢な部類です。

楽しむことから学ぶことへの切り替え、これは生徒個々の成長によって千差万別ですが、ゴールデンエイジと言われる9歳から12歳の間で考える力やバレエの本質的な基礎や身体作りのことなどを意識的に学ぶ姿勢を養う必要があります。

遊びから学びへ。

興味から欲求へ。

成長と自立を導いてあげられるのもバレエのいいところだと思います。


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